材料工学科 研究室紹介
材料を融解させることは、工業製品の製造において極めて重要な要素技術となります。この融体物性研究室では、金属・セラミックスなど工業的に重要な材料の「融けた」状態の性質について、さまざまな方法を用いて研究しています。
材料を溶融させるためには材料を加熱する必要があります。融体物性研究室では究極の高温の材料実験を目指して、試料浮遊法とレーザー加熱法を組み合わせた新しい材料溶融法の開発を進めています。たとえば、静電浮遊法を用いることにより2500℃を超える高温液体の実験が可能となります。この方法とＸ線構造解析法を組み合わせて、高温の融けた金属の中の原子の配置や動きを調べています。
実験と計算機シミュレーションを組み合わせることにより、マクロとミクロの両面から物質の中の原子の動きを知ることができます。この研究室では、分子動力学計算などの計算機シミュレーションを用いて原子・分子の運動を調べています、Ｘ線構造解析や粘性係数などの物性値と計算機シミュレーションの比較を行い、原子間の相互作用など物性の起源となる物理的性質について研究を進めています。
現在、宇宙航空研究開発機構との共同研究として、無重力環境を用いた融体物性の高精度計測に関する研究を進めています。国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）の無重力環境を利用した実験に参加することを目標に、その準備を進めています。
